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空の青さが、やけにムカツク

『揺れるココロ、と高鳴るドウキ』__完全自作の小説・詩・散文サイト。携帯からもどうぞ。
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 朝日を浴びて
 水面が光っている。
 さざ波が
 きらきらと反射をしている。

 その岸辺に
 白い物が浮かんでいる。
 今にも波に揺られ
 流されるように浮かんでいる。

 白い物に
 フナムシがたかっている。
 小さな音で
 ピチャピチャと肉を食っている。

 カニがハサミで肉を削ぎ
 その身を食べている。
 小エビが跳ね回り
 宴に酔いしれるよう歓喜している。

 魚が水中から突つき
 その黄色い脂肪を食らっている。
 有象無象の微生物たちが
 食べカスに群がっている。


 空中から
 水面を滑空し
 灰色の翼をはためき
 貪欲な鳥たちが獲物を突つくつつ魚をも狙っている。

 ぶよぶよに水を吸い
 或いは黒く腐りかけ
 破れた皮膚は
 生前の面影も無く。

 70%の水分が
 90%くらいにまで上昇した結果
 筋肉は易々と解け
 さざ波にすら引き千切られる。

 でっぷりと膨らんだ肉体は
 傷だらけの肉塊は
 四肢と首が
 骨だけでようやく繋がっているだけだ。

 人間が
 何を思ったか
 人間が
 自らの意思で入水した結果。

 もはや人間は
 腐乱した人間は
 鳥や水中に棲まう者の餌食となり
 保有していた菌の温床となる。

 時折
 腹腔から漏れるガスが
 ブゥと音を鳴らし
 虚しさを増幅させる。
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