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空の青さが、やけにムカツク

『揺れるココロ、と高鳴るドウキ』__完全自作の小説・詩・散文サイト。携帯からもどうぞ。
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 とりあえず生きていなければ
 どうにか生き続けなければ
 そのようにして今ぼくは生活を送っている
 蛞蝓みたいに地べたを舐めて
 夏の暑い日に干からびないように

 いっそ誰かに塩を振ってもらえたら
 ぐずぐずに溶けてしまえたならば
 しっぽを振った犬の気持ちですり寄るだろうか
 きれいに消えるような甘い誘惑ならば
 苦痛がないなら浴びただろうよ

 いつも誰かに甘えて寄りかかり
 覚悟もなく怠惰の才を発揮している
 新天地を求め干からびて死ぬ蚯蚓ほどの大望もなく
 安全地帯に囲まれて世界を覗いている
 とびきりの無害さを装って

 装うならば甲冑に身を包み
 せめてもの気概を露わにしてみれば
 出てくるものは聞く者を辟易させる愚痴ばかり
 いつからか戦い方を忘れている
 いつからだろう生き方を忘れている

 いつしか手にとる武器は脂肪にまみれ
 汚泥の中で価値を喪失していた
 いつかは戻り立ち上がれるだろうことを夢見ていた
 しかし夢は夢で終わりつつある
 違う夢の中にいるジャンキーのように
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 深淵なる大地の裂け目
 巨木は唸りを上げ
 割れる黒土に枝を揺する
 根は悲鳴の如く震え
 細かい繊維は断ち切られる
 しかし太い根は
 力強く谷を結ぶ橋となり
 弛み無くしなり伸びてゆく

 黒き空から雷が落ち
 水分を失った巨木は
 赤い火を上げ易々と燃えあがる

 やがて時は過ぎ
 そして雨が降り
 苦痛とも思える試練の後で
 腐りかけた橋の根元から
 小さくも鮮やかな
 力強い緑の芽が
 芽が
 芽が
 芽が生える
  

 彼女は急に死んだんだ

 みんなはこう思ってる
 吐息が空気に混じるように
 夢が現実にとろけるように
 海に一滴の水が落ちるように
 急に
 急に死んでしまったと

 だけどホントは違うんだ
 ボクだけそう知っている
 ボクだけそう思ってる
 彼女が死んだ理由とは
 気づいてしまっただけなんだ


 彼女はいきなり自殺した
 遺書も書かずに死んだんだ
 みんなは彼女を無口という
 みんなは彼女を真面目という
 孤独に押し潰されたのだと

 だけどホントは違うんだ
 彼女にボクは聞いたから
 自殺のヒントを聞いたから

 彼女は言った
 私は特別な人間なの
 と

 彼女は言った
 私は天才なの
 ってね

 だけど気づいてしまったんだ
 きっと気づいてしまったんだ
 自分が吐息でないことに
 自分が夢でないことに
 自分が一滴の水でないことに

 自分が空気の側にいたと
 自分が現実の側にいたと
 自分が海の側にいたと
 だから
 だから死んだ
 自殺した

 気づいたんだ
 彼女はきっと
 気づいたんだ
 頭が良すぎたから

 自分が天才でないことに
 自分の存在が
 見下していた側にいたことに

 だから死んだ
 彼女は絶望した
 きっと
 きっと誰にも分からないくらいに深く
 深く
 深く
 深く

 ボクだけそう知っている
 ボクだけそう感じてる

 なぜならボクも同じだから
 同じ種類の人間だから

 彼女の囁きが聞こえた気がする

 彼女のメッセージ
 次はあなたの番

 彼女のつぶやき
 早くこちらへ来てみなさい

 魅惑な言葉
 悪魔の誘い

 同情と友情と
 ありったけの怨みを込めた
 ボクと彼女の
 秘密の呪い
  

苦しみを詰め込んで
疲れを詰め込んで
狂い咲く悲しみも
何もかも入るリュックに、ありったけ

辛さを包み込んで
怒気を包み込んで
クソみたいな生きざまを
すべて包み込んでしまうバッグに入れて

虚しさと溶け込んで
弱い体と溶け込んで
人と触れ合う矯慢な賎しさを
混沌と混乱の色をしたビニール袋にブチ撒けて

リュックと、バッグと
ビニール袋のすべてを飲み込んで
それでもやっぱり死ぬのは怖い
このままずっと生きてくよりも
  

 青い帽子を被ったピエロが言った
「マルドロールは何処に居る?」
 右手に大きなハサミを持って

「ロートレアモン」
 ぼくは答えた。
「イジドール・デゥキャッス」

「くつくつくつ」
 青いピエロは笑った
「くつくつくつ」

 パステルピンクの帽子を被ったピエロが言った
「マルドロールは何処に居る?」
 左手に大きなナイフを持って

「灰皿に溜まった水の中の灰」
 ぼくは答えた
「輪ゴムの伸縮性とコードの中の銅線」

「くすくすくす」
 パステルピンクのピエロは笑った
「くすくすくす」

 青いピエロと
 パステルピンクのピエロは
 ぼくを刺した

「くつくつくつ」
 青いピエロは言った
「正解」

「くすくすくす」
 パステルピンクのピエロは言った
「正解」

「良かった。正解で。あはははははは」
 ぼくは笑いながら血を吐いた
「くつくつくつ。くすくすくす」
  

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