「何だよテメェ」
金髪の男、ケンジが短髪で筋肉質な男、タカにそう言うと、上目で睨んだ。
「お前こそ何者だ」タカは動じない。「俺はユミと三年以上付き合ってる。浮気なんだろ、ユミ。魔が刺すってこともあるんだろう。今回だけは許してやってもいい」
彼の悠然とした態度に、ケンジがキレた。
「こっちはユミと五年以上も付き合ってんだ! 三年だと!? ユミ、どういうことだ」
ユミは長い髪をくしゃくしゃにしながら、自室のソファで言い訳を考えている。
まさかケンジがこんな時間にくるなんて、ユミは思ってもいなかった。
タカは文武両道の理想的な男で、とある大企業で働いている。一方、ケンジは昔から不良の仲間とツルでおり、夜は歓楽街で飲み歩いているはずなのだ。
昼間はケンジと会い、夜は真面目なタカと会う。これがパターンになっていたのだ。さらに悪いことには、タカは空手の有段者であり、ケンジも不良仲間の間では、腕っぷしが強いと評判なのだ。
油断大敵とはまさにこのこと。ケンジに今夜は用事があるとメールをしておけばよかった。
「五年だって、それがどうした」タカが言う。「愛の深さは付き合った年月とは関係ないだろう。本当にお前を愛しているなら、俺と付き合うことはなかっただろうよ」
「ふざけるな」ケンジが怒鳴る。「ユミは俺を愛してるんだ。そこにテメェが割って入ってきただけだろうが!今までユミとの間で、別れ話なんて一回も出たこともない」
「お前がキレるのが恐かっただけだろうよ」それからタカはユミに優しい笑顔を見せた。「さあ、今なら俺がいる。恐がらなくていい。こいつと別れるって言ってくれ」
「んだとコラッ」憤りも隠さずにケンジが反発する。「調子に乗ってんじゃねーぞ」
ケンジはタカの襟元を掴んだ。
反射的にタカはケンジの腕を捕まえる。
「やめて!」ユミは叫ぶ。少しの恍惚とともに。男二人が自分のために争っているのだ。この私を求めて。「私のためにケンかはしないで」
静電気が帯電しているような沈黙。
掴み合う二人の影が、カーテンに映っている。
一触即発な雰囲気。
「――ユミ」タカが静かに言った。ケンジの腕を離す。「どっちをお前が愛しているのか、それが一番大切なんだ。正直に言ってくれ」
ケンジもタカから手を離し、真剣な目をしてユミを見つめる。
「正直に……」そんなこと、言えるはずがない。ユミはそう思い、悩んだ。
タカは質実剛健、会社でもエリートコースを進んでいる。客観的に見て、こちらに付く方が将来性もある。しかし二股がバレてしまった後、今まではわがままを聞いてくれていたが、その態度は変わるだろう。立場が逆転し、束縛されるかもしれない。エリートにありがちなプライドを彼も持っているため、しこりを残してしまうのは確実だ。
対してケンジの方はというと、こちらには長年付き合ってきた愛着がある。見ていてハラハラする行動も起こすが、そこが逆に魅力的でもあるのだ。彼自身がそもそも何度も浮気をしており、今回の事だって大目に見てくれるかもしれない。さらにいえば、エリートより自分を選んでくれたという事実が、彼の屈折したコンプレックスを満たし、女遊びも少なくなるかもしれないと思える。
「選べないわ」絶叫するようにユミは言った。「どっちも同じくらい愛してるんだもの」
「何言ってんだ!決めろ!」タカの激昂。初めてみる彼の威圧にユミは戸惑うが、彼は気にせず感情に任せた。「諸悪の根源はユミ、お前なんだよ!」
「諸悪の根源……」ケンジがつぶやく。「そうだな、全部ユミのせいだ。こんな女、ボロボロになるまでヤッちまって、捨てればいーんじゃねーの?」
タカはその言葉にビクリと反応する。が、少し冷静になり、考える。
「え、ちょっと待って、どういうことよ」ユミは時間を稼ぐのに必死だ。「だってケンジにも不満があって、安定性のあるタカと付き合いだしたんだし――」
ユミが口を滑らせたと気づいた時には遅かった。
「じゃあ、俺は安全牌の代用品ってわけか」タカが言う。
「俺に対して不満があるんだな」ケンジも言った。
「この際だ」タカがケンジに言う。「その話、乗った。未練が残らないよう、二人で思い切りヤろうぜ」
「ああ」
タカがユミを押し倒し、ケンジがそこに躍り掛かった。
――数時間後。
「――失神するなんて初めて」ユミは言う。「凄く、凄く良かったわ」
「うむ」タカは頷く。「こんなに興奮したのは初めてだ」
「俺も俺も」ケンジが同意する。「この際さぁ、三人で付き合うって、どうよ。なんかそれでもいいような気がしてきた」
タカは一瞬驚くが、少し考えて言う。
「いいかもしれない」
「私も」
三人は合意し、三人で付き合うようになった。
※ これは犯罪です。真似しないで下さい。
同様に不倫や浮気、二股も人を傷付けます。くれぐれも自制してくださりますように。
金髪の男、ケンジが短髪で筋肉質な男、タカにそう言うと、上目で睨んだ。
「お前こそ何者だ」タカは動じない。「俺はユミと三年以上付き合ってる。浮気なんだろ、ユミ。魔が刺すってこともあるんだろう。今回だけは許してやってもいい」
彼の悠然とした態度に、ケンジがキレた。
「こっちはユミと五年以上も付き合ってんだ! 三年だと!? ユミ、どういうことだ」
ユミは長い髪をくしゃくしゃにしながら、自室のソファで言い訳を考えている。
まさかケンジがこんな時間にくるなんて、ユミは思ってもいなかった。
タカは文武両道の理想的な男で、とある大企業で働いている。一方、ケンジは昔から不良の仲間とツルでおり、夜は歓楽街で飲み歩いているはずなのだ。
昼間はケンジと会い、夜は真面目なタカと会う。これがパターンになっていたのだ。さらに悪いことには、タカは空手の有段者であり、ケンジも不良仲間の間では、腕っぷしが強いと評判なのだ。
油断大敵とはまさにこのこと。ケンジに今夜は用事があるとメールをしておけばよかった。
「五年だって、それがどうした」タカが言う。「愛の深さは付き合った年月とは関係ないだろう。本当にお前を愛しているなら、俺と付き合うことはなかっただろうよ」
「ふざけるな」ケンジが怒鳴る。「ユミは俺を愛してるんだ。そこにテメェが割って入ってきただけだろうが!今までユミとの間で、別れ話なんて一回も出たこともない」
「お前がキレるのが恐かっただけだろうよ」それからタカはユミに優しい笑顔を見せた。「さあ、今なら俺がいる。恐がらなくていい。こいつと別れるって言ってくれ」
「んだとコラッ」憤りも隠さずにケンジが反発する。「調子に乗ってんじゃねーぞ」
ケンジはタカの襟元を掴んだ。
反射的にタカはケンジの腕を捕まえる。
「やめて!」ユミは叫ぶ。少しの恍惚とともに。男二人が自分のために争っているのだ。この私を求めて。「私のためにケンかはしないで」
静電気が帯電しているような沈黙。
掴み合う二人の影が、カーテンに映っている。
一触即発な雰囲気。
「――ユミ」タカが静かに言った。ケンジの腕を離す。「どっちをお前が愛しているのか、それが一番大切なんだ。正直に言ってくれ」
ケンジもタカから手を離し、真剣な目をしてユミを見つめる。
「正直に……」そんなこと、言えるはずがない。ユミはそう思い、悩んだ。
タカは質実剛健、会社でもエリートコースを進んでいる。客観的に見て、こちらに付く方が将来性もある。しかし二股がバレてしまった後、今まではわがままを聞いてくれていたが、その態度は変わるだろう。立場が逆転し、束縛されるかもしれない。エリートにありがちなプライドを彼も持っているため、しこりを残してしまうのは確実だ。
対してケンジの方はというと、こちらには長年付き合ってきた愛着がある。見ていてハラハラする行動も起こすが、そこが逆に魅力的でもあるのだ。彼自身がそもそも何度も浮気をしており、今回の事だって大目に見てくれるかもしれない。さらにいえば、エリートより自分を選んでくれたという事実が、彼の屈折したコンプレックスを満たし、女遊びも少なくなるかもしれないと思える。
「選べないわ」絶叫するようにユミは言った。「どっちも同じくらい愛してるんだもの」
「何言ってんだ!決めろ!」タカの激昂。初めてみる彼の威圧にユミは戸惑うが、彼は気にせず感情に任せた。「諸悪の根源はユミ、お前なんだよ!」
「諸悪の根源……」ケンジがつぶやく。「そうだな、全部ユミのせいだ。こんな女、ボロボロになるまでヤッちまって、捨てればいーんじゃねーの?」
タカはその言葉にビクリと反応する。が、少し冷静になり、考える。
「え、ちょっと待って、どういうことよ」ユミは時間を稼ぐのに必死だ。「だってケンジにも不満があって、安定性のあるタカと付き合いだしたんだし――」
ユミが口を滑らせたと気づいた時には遅かった。
「じゃあ、俺は安全牌の代用品ってわけか」タカが言う。
「俺に対して不満があるんだな」ケンジも言った。
「この際だ」タカがケンジに言う。「その話、乗った。未練が残らないよう、二人で思い切りヤろうぜ」
「ああ」
タカがユミを押し倒し、ケンジがそこに躍り掛かった。
――数時間後。
「――失神するなんて初めて」ユミは言う。「凄く、凄く良かったわ」
「うむ」タカは頷く。「こんなに興奮したのは初めてだ」
「俺も俺も」ケンジが同意する。「この際さぁ、三人で付き合うって、どうよ。なんかそれでもいいような気がしてきた」
タカは一瞬驚くが、少し考えて言う。
「いいかもしれない」
「私も」
三人は合意し、三人で付き合うようになった。
※ これは犯罪です。真似しないで下さい。
同様に不倫や浮気、二股も人を傷付けます。くれぐれも自制してくださりますように。
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Re:無題
>この先も3人が幸せでありますように
それはそれで問題がある気もしますが(^_^;)
楽しんで頂けたようで何よりです(^_^)v
それはそれで問題がある気もしますが(^_^;)
楽しんで頂けたようで何よりです(^_^)v