空の青さが、やけにムカツク

『揺れるココロ、と高鳴るドウキ』＿＿完全自作の小説・詩・散文サイト。携帯からもどうぞ。

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2024 / 04 / 20 ( Sat )

　ねえ！　『ぼく』を見て！
　服を脱ぐように皮膚を剥ぎ
　鎧を解くように筋肉を解放し
　兜を外すように頭蓋骨を投げ捨てるよ

　灰色の脳細胞　剥き出しの丸い眼球　膨らんでは萎む肺　上下する横隔膜　胃や大腸は蠕動し　物言わぬ肝臓や二つある腎臓に細く長い小腸からは湯気が出ているのが分かるかい？

　ほら！　もっと『ぼく』を見ておくれよ！
　心臓は鼓動して
　血管が脈動している
　血液を全身に送りこんでいるんだ！

　こんなに狭くて細い毛細血管まで！

　脳を囲んでいる膜が見えるかい？
　縦横　きめ細かく脳細胞に酸素を運んでいる動脈が見えるだろう？
　ヘモグロビンを回収している静脈も見えてるはずだ！

　その膜に包まれ　液体に浮かんで考えている脳が『ぼく』なのだろうか？

　それとも　君が見ている体全体が『ぼく』なのか？

　ぼくには分からないんだ！
　本当の『ぼく』がどこに存在するのかっていうことが！

　君なら教えてくれるかい？

　すべてを曝け出した
　この姿を見ている君ならば？

　ならば頼む
　お願いだ！

　本当の『ぼく』はどこに居る？
　教えておくれ

　脱ぎ捨てた皮膚や筋肉を調べてもらっても構わない
　その代わり詳細に頼むぜ

　これは大問題なのだから！

　――さあ　どうだい？
　君には居場所が分かるかい？
　ぼくには全然分からないんだ！

　教えてくれるかい？
　本当の『ぼく』がどこに居るのか
　教えてくれるかい？
　本当の『ぼく』がどこに有るのか
　君なら教えてくれるかい？

2008 / 07 / 20 ( Sun ) 詩 Trackback( ) Comment( 3 )

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あぁともさ。

『君』がお探しの『ぼく』とは、
『ぼく』だと思うものは、みな『ぼく』なのさ。
『君』が『君』だと思うものは全て『君』なのだ。

どこを探したって見つからない。

でも、どこにでも居る。

ハレさんの文才に、全わしが嫉妬！

774っていう。 2008 / 07 / 22 ( Tue ) 23 : 55 : 07 編集

Re:あぁともさ。

>どこを探したって見つからない。
>でも、どこにでも居る。

そうなんですよね、結局は、他人との距離感でしか自分を規定する以外にない。
普遍的すぎるからこそ、見落としてしまうのでしょうか。

【 2008 / 07 / 27 17 : 46 】

本当の自分

本当の自分って、何でしょうね…？自分で思う自分と人が思う自分は絶対違うと思うけど、かといってどちらも本当の自分とは違うと思うし…。脳ミソなのかハート(心臓)なのか…？難しい問題です！

yos. 2008 / 07 / 24 ( Thu ) 01 : 40 : 58 編集

Re:本当の自分

>本当の自分って、何でしょうね…？

禅問答になってしまうかもしれませんが、すべて本物の自分で、すべて偽りの自分なんですよね。
一番厄介なのが、自分につく嘘。容易には見破れません。
困ったことです。

【 2008 / 07 / 27 17 : 47 】

微妙な表現

こういう文体、構成が大好きです。
私には書けないので、とても羨ましく思います。

自分を見失った悲哀を表現しているのにますます自分をコントロール出来なくなっていく様を映像で見ているような感じでした。
面白い。

たったかた～ 2008 / 07 / 24 ( Thu ) 22 : 19 : 08 編集

Re:微妙な表現

自分を見失しなった時には、内に向けていた目を外に向けると良いかと思われます。
人間はどうしたって、社会生物なんですよねぇ。

【 2008 / 07 / 27 21 : 15 】

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