パパとママにしかられて、ぼくはとってもかなしくなったから、なきました。
それでもパパとママはゆるしてくれなくって、だからぼくは、もっとなきました。
つりあがっためをして、パパはげんこつをしてきました。
ママはなんにもいわなくて、はたきもしなかったけれど、かおがまっかっかになっていて、いつものやさしいママじゃなくって、だから、ママのほうがパパよりこわかったかもしれません。
それで、ふたりともこわくって、ないてもゆるしてくれないので、ぼくはおもったんです。
もしかしたら、このパパとママはほんとうのパパとママではなくって、ほんとうのパパとママは、このにせもののパパとママにつかまっているかもしれないな。
きっと、このパパとママは、パパとママのふりをしている、だれかなんだろう。そうしてぼくをこわがらせて、たべてしまうつもりなんだろう。
ぼくはますますこわくなって、おしいれのなかにかくれました。
おしいれのなかはくらくて、なにもみえません。
でも、にせもののパパとママのすがたがみえなくてすむので、すこし、あんしんです。
でてきなさいという、こえがします。
でも、ぼくはでません。
にせもののパパとママがこわいからです。
きっと、ねているうちにつかまって、りょうりして、たべてしまうつもりなのでしょう。
だからぼくは、おしいれをしめて、そとからあけられないようにします。
どうしてもおしいれがあかないので、あきらめたのでしょう。
にせもののパパとママは、そんなにおしいれがすきなら、そこではんせいしていなさい。とか、おしいれにすんでしまいなさい。みたいなことをいいました。
そして、どこかいってしまったみたいでした。
でも、そんなふりをして、ちかくにいるのかもしれません。
ぼくはなきながら、ずっとおしいれのなかに、かくれていようとおもいました。
でも、おしいれは、やっぱりくらくて、こわくて、さみしいので、ぼくはなきやむことができません。
つかれて、こえがでなくなったけど、メソメソ、メソメソとなみだがでてきます。
そのうちに、ごはんをつくるおとがして、にせもののママが、ごはんをたべなさいっていってきたけれど、きっとごはんには、どくがはいっているんだろうとおもって、おしいれからでませんでした。
そしたら、にせもののママは、かってにしなさいといって、それからごはんをたべるおとがきこえてきた。
おなかはすいていたけれど、どくをたべるのは、いやです。
ぼくはがまんして、もっとさみしくなってしまいました。
にせもののパパとママは、やっぱりにせもので、にせものらしく、ぼくのことなんてかんがえていないみたいでした。ごはんをたべてから、さっさとおふろにはいって、それからねむってしまったからです。
いえのなかがシーンとなって、ぼくはこわくてしかたなくなってしまいました。
でも、おしいれをでたすぐそこに、にせもののパパとママがいるようなきがして、ぼくはおしいれからでることができません。
どうしましょう。
ぼくはかんがえたけれど、わかりません。
ぽろぽろとなきつづけることしかできませんでした。
こまっているうちに、ねむくなって、けれども、ねむってしまったら、にせもののパパとママにひきずりだされて、たべられてしまいます。
ぼくは、おなかがへったのと、ねむたいのをがまんしてないていました。
そのうちに、にせもののパパのいびきがきこえてきましたので、ぼくはそっとおしいれをあけ、へやのなかをみました。
だれもいないようなので、ろうかへでてみます。
ろうかにも、だれもいませんでした。
ぼくはげんかんのカギをあけました。
カギのあくおとが、とってもおおきくきこえてきえて、ぼくはびっくりしてしまいました。
でも、だいじょうぶだったようです。
にせもののパパとママにはきづかれていません。
ぼくは、はだしのままでそとにでました。
ペタペタと、あしおとがします。
ほんとうのパパとママはいったいどこにいってしまったのでしょう。
ぼくは、おおきなこえをあげて、なきました。
パパー、ママーどこにいったのー。
パパー、ママー。
ぼくはないていました。
どうろをあるって、きんじょのこうえんにきました。
こうえんは、じめんがつちなので、あしおとはしません。
でもすなが、くつしたにはいってきます。
ときどき、いしをふんでしまって、あしのひらがいたいなとおもいました。
ぼくは、せまいトンネルにはいりました。
なんだか、すこし、あんしんするようなきがして、でも、ほんとのパパとママがどこにいるのか、わからなくって、やっぱりないてしまいました。
ないて、ないて、きがつくと、ちょっとだけ、ねむってしまっていたみたいです。
とおくから、ひとのこえがしました。
こえは、ちかづいてきます。
どうやら、ぼくのなまえをよんでいるみたいでした。
ほんもののパパとママかな。
ぼくはそうおもって、トンネルをでようとしたのですが、やっぱり、にせもののパパとママだったらどうしようとおもい、そうおもったら、どうしてだか、からだがうごかなくなってしまったのでした。
とても、とっても、こわかったです。
そして、とうとう、ぼくはこえにみつかってしまったのです。
かいちゅうでんとうをもったパパとママは、とても、しんぱいそうなかおをしています。
あ、ほんもののパパとママだな。
ぼくはそうおもうと、あんしんしました。
あんしんしたのに、なみだがでてくるのは、ふしぎでした。
ぼくはなきながら、ぜんぶをはなしました。
いつのまにか、にせもののパパとママにかわっていて、とってもこわかったこと。にげだして、ほんもののパパとママをさがしていたことを、です。
ないていたせいで、うまくしゃべれませんでしたけれど、パパとママはわかってくれたようです。
ウンウンと、うなずいて、やさしくあたまをなでてくれました。
だっこをされると、ママからは、おひさまのにおいがしました。
やっぱりほんもののままです。
おんぶをされると、とってもひろいせなかでした。
やっぱりほんもののパパです。
ぼくは、あんしんして、パパのせなかでねむりました。
それでもパパとママはゆるしてくれなくって、だからぼくは、もっとなきました。
つりあがっためをして、パパはげんこつをしてきました。
ママはなんにもいわなくて、はたきもしなかったけれど、かおがまっかっかになっていて、いつものやさしいママじゃなくって、だから、ママのほうがパパよりこわかったかもしれません。
それで、ふたりともこわくって、ないてもゆるしてくれないので、ぼくはおもったんです。
もしかしたら、このパパとママはほんとうのパパとママではなくって、ほんとうのパパとママは、このにせもののパパとママにつかまっているかもしれないな。
きっと、このパパとママは、パパとママのふりをしている、だれかなんだろう。そうしてぼくをこわがらせて、たべてしまうつもりなんだろう。
ぼくはますますこわくなって、おしいれのなかにかくれました。
おしいれのなかはくらくて、なにもみえません。
でも、にせもののパパとママのすがたがみえなくてすむので、すこし、あんしんです。
でてきなさいという、こえがします。
でも、ぼくはでません。
にせもののパパとママがこわいからです。
きっと、ねているうちにつかまって、りょうりして、たべてしまうつもりなのでしょう。
だからぼくは、おしいれをしめて、そとからあけられないようにします。
どうしてもおしいれがあかないので、あきらめたのでしょう。
にせもののパパとママは、そんなにおしいれがすきなら、そこではんせいしていなさい。とか、おしいれにすんでしまいなさい。みたいなことをいいました。
そして、どこかいってしまったみたいでした。
でも、そんなふりをして、ちかくにいるのかもしれません。
ぼくはなきながら、ずっとおしいれのなかに、かくれていようとおもいました。
でも、おしいれは、やっぱりくらくて、こわくて、さみしいので、ぼくはなきやむことができません。
つかれて、こえがでなくなったけど、メソメソ、メソメソとなみだがでてきます。
そのうちに、ごはんをつくるおとがして、にせもののママが、ごはんをたべなさいっていってきたけれど、きっとごはんには、どくがはいっているんだろうとおもって、おしいれからでませんでした。
そしたら、にせもののママは、かってにしなさいといって、それからごはんをたべるおとがきこえてきた。
おなかはすいていたけれど、どくをたべるのは、いやです。
ぼくはがまんして、もっとさみしくなってしまいました。
にせもののパパとママは、やっぱりにせもので、にせものらしく、ぼくのことなんてかんがえていないみたいでした。ごはんをたべてから、さっさとおふろにはいって、それからねむってしまったからです。
いえのなかがシーンとなって、ぼくはこわくてしかたなくなってしまいました。
でも、おしいれをでたすぐそこに、にせもののパパとママがいるようなきがして、ぼくはおしいれからでることができません。
どうしましょう。
ぼくはかんがえたけれど、わかりません。
ぽろぽろとなきつづけることしかできませんでした。
こまっているうちに、ねむくなって、けれども、ねむってしまったら、にせもののパパとママにひきずりだされて、たべられてしまいます。
ぼくは、おなかがへったのと、ねむたいのをがまんしてないていました。
そのうちに、にせもののパパのいびきがきこえてきましたので、ぼくはそっとおしいれをあけ、へやのなかをみました。
だれもいないようなので、ろうかへでてみます。
ろうかにも、だれもいませんでした。
ぼくはげんかんのカギをあけました。
カギのあくおとが、とってもおおきくきこえてきえて、ぼくはびっくりしてしまいました。
でも、だいじょうぶだったようです。
にせもののパパとママにはきづかれていません。
ぼくは、はだしのままでそとにでました。
ペタペタと、あしおとがします。
ほんとうのパパとママはいったいどこにいってしまったのでしょう。
ぼくは、おおきなこえをあげて、なきました。
パパー、ママーどこにいったのー。
パパー、ママー。
ぼくはないていました。
どうろをあるって、きんじょのこうえんにきました。
こうえんは、じめんがつちなので、あしおとはしません。
でもすなが、くつしたにはいってきます。
ときどき、いしをふんでしまって、あしのひらがいたいなとおもいました。
ぼくは、せまいトンネルにはいりました。
なんだか、すこし、あんしんするようなきがして、でも、ほんとのパパとママがどこにいるのか、わからなくって、やっぱりないてしまいました。
ないて、ないて、きがつくと、ちょっとだけ、ねむってしまっていたみたいです。
とおくから、ひとのこえがしました。
こえは、ちかづいてきます。
どうやら、ぼくのなまえをよんでいるみたいでした。
ほんもののパパとママかな。
ぼくはそうおもって、トンネルをでようとしたのですが、やっぱり、にせもののパパとママだったらどうしようとおもい、そうおもったら、どうしてだか、からだがうごかなくなってしまったのでした。
とても、とっても、こわかったです。
そして、とうとう、ぼくはこえにみつかってしまったのです。
かいちゅうでんとうをもったパパとママは、とても、しんぱいそうなかおをしています。
あ、ほんもののパパとママだな。
ぼくはそうおもうと、あんしんしました。
あんしんしたのに、なみだがでてくるのは、ふしぎでした。
ぼくはなきながら、ぜんぶをはなしました。
いつのまにか、にせもののパパとママにかわっていて、とってもこわかったこと。にげだして、ほんもののパパとママをさがしていたことを、です。
ないていたせいで、うまくしゃべれませんでしたけれど、パパとママはわかってくれたようです。
ウンウンと、うなずいて、やさしくあたまをなでてくれました。
だっこをされると、ママからは、おひさまのにおいがしました。
やっぱりほんもののままです。
おんぶをされると、とってもひろいせなかでした。
やっぱりほんもののパパです。
ぼくは、あんしんして、パパのせなかでねむりました。
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誤字ですかね?(^-^;
『おしいれからでませんんでした』
『どうろをあるって』
だけ気になりましたw
(^-^;
子供には、怒ってる親は鬼にしか見えないのかもしれませんね。
迎えにきた本当のパパとママのくだりが好きです。
『どうろをあるって』
だけ気になりましたw
(^-^;
子供には、怒ってる親は鬼にしか見えないのかもしれませんね。
迎えにきた本当のパパとママのくだりが好きです。
Re:誤字ですかね?(^-^;
>『おしいれからでませんんでした』
誤字です。ご指摘ありがとうございますm(_ _)m
>『どうろをあるって』
こちらは『道路を歩って』なので大丈夫です。
平仮名ばかりで少し読みづらいですけれど、狙いもあるので御容赦下さい。
>迎えにきた本当のパパとママのくだりが好きです。
核心部分なので、そう言って下さると素直に嬉しいです(^-^)
誤字です。ご指摘ありがとうございますm(_ _)m
>『どうろをあるって』
こちらは『道路を歩って』なので大丈夫です。
平仮名ばかりで少し読みづらいですけれど、狙いもあるので御容赦下さい。
>迎えにきた本当のパパとママのくだりが好きです。
核心部分なので、そう言って下さると素直に嬉しいです(^-^)
矛盾
こんばんは。
昨日読ませて頂いていたのですが、
コメントが本日になってしまいました。
子供の頃、両親や兄から「お前は拾われっ子だ」「橋の下から拾ってきたんだ」と言われ、随分と大きくなるまで本気で信じていました。
思いだすと今でも胸が痛くなります。
ところで、この少年が家出をしてから公園へ行くところまでは、はだしと書いてあるのですが、公園の中では靴下をはいているように記述してあるのが少々気になります。
細かい事ですが、どちらが本当なのでしょう?
昨日読ませて頂いていたのですが、
コメントが本日になってしまいました。
子供の頃、両親や兄から「お前は拾われっ子だ」「橋の下から拾ってきたんだ」と言われ、随分と大きくなるまで本気で信じていました。
思いだすと今でも胸が痛くなります。
ところで、この少年が家出をしてから公園へ行くところまでは、はだしと書いてあるのですが、公園の中では靴下をはいているように記述してあるのが少々気になります。
細かい事ですが、どちらが本当なのでしょう?
Re:矛盾
あら、本当ですね(^_^;)
感情移入しすぎて見落としていました。
ご指摘ありがとうございますm(_ _)m
はだしが正しいですね、余計な一文でした。筆が滑るとはこういうことでしょうか。
戒めのためにも、この部分はこのままにさせて頂きます。ご了承くださいませ。
感情移入しすぎて見落としていました。
ご指摘ありがとうございますm(_ _)m
はだしが正しいですね、余計な一文でした。筆が滑るとはこういうことでしょうか。
戒めのためにも、この部分はこのままにさせて頂きます。ご了承くださいませ。