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空の青さが、やけにムカツク

『揺れるココロ、と高鳴るドウキ』__完全自作の小説・詩・散文サイト。携帯からもどうぞ。
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「ぼくは空を飛びたい。だから翼が欲しいんだ。君の翼をぼくにくれ」
少年はそう言うと、少女の翼を静かに剥ぎ取る。
少女はすでに飛ぶことを嫌い、絶望し、疲れていたので、黙って痛みに耐えていた。
少年は剥ぎ取った一対の翼を自分の体に付けようとする。しかしそれはどうやってもできなかった。
悔しそうにして、少年は翼を返す。
だが少女は受け取ろうとしない。
仕方がないので、少年はその場に翼を置いて立ち去った。


やがて少女は成長して女となる。
女は空飛ぶことを再び願った。
昔、自分の捨てた翼のことを思い出す。
女は必死に探し、ようやく翼を見つけた時、すでにそれは腐っていた。
使い物にならない翼を手に、女は一人、寂しげに涙を流す。

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何かを思い出しかけました。
こんな思いをしたことがあった気がします。
はっきりと思い出すには昔過ぎる事です。
代用は代用でしかないけれど、思い方ひとつで悲しみは変える事が出来る筈と願います。
NONAME 2007 / 07 / 20 ( Fri ) 18 : 02 : 08 編集
Re:何かを思い出しかけました。
後悔は時として飛躍になりうると思います。
過去に捕らわれず、それを糧として未来を切り開いていけるといいですね。
【 2007 / 07 / 21 06 : 23 】
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