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空の青さが、やけにムカツク

『揺れるココロ、と高鳴るドウキ』__完全自作の小説・詩・散文サイト。携帯からもどうぞ。
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 彼女の指は白魚のよう。ピチピチと携帯のタッチパネルを操作する。
 ブラウンの入った瞳はピータンみたいで、それを包む青みがかった白眼は爽やかそうなゼリー。どちらも薄い涙に濡れて、みずみずしい張りがある。
 耳たぶは柔らかそうで丸みを帯びている。リングのピアスが光を反射し、まるで剥き身にされた貝からしたたる水滴に見える。
 筋の通った鼻は適度に高く、小鼻と影のできた鼻の穴が、なぜか海老を連想させる。
 ふんわりと微笑んだ彼女の頬は、生気にみなぎりほんのり赤い。盛り上がったその部分は、上品な甘さを含んだ和菓子のようだ。
 厚く、健康的な唇は一対のハバネロ。そこからのぞく白い歯は、きれいに並んだ小粒のホワイトチョコレートさながら。
 茶色い髪にボブカット。ストレートな髪質はモンブランケーキのムース。
 蒸かした男爵芋のような体温を持った膝から伸びる、しなやかな脛は、茹でた鶏のササミのよう。
 レースのショーツに包まれたヒップは歯ごたえ優しい桃。
 ブラジャーのカップに収められた胸は、きっと上質なミルクプリンに違いない。
「失礼しました」彼女は雛鳥のような声を発して詫びる。
 そうして戸惑った仔羊の動きで動揺し、携帯をしまう。

 わたしの脂ぎった腹が鳴る。
 ――美味そうだ。
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