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空の青さが、やけにムカツク

『揺れるココロ、と高鳴るドウキ』__完全自作の小説・詩・散文サイト。携帯からもどうぞ。
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 カンカンカンカンカンカンカンカンカン
 長い、踏切。
 電車の通過量と待ち時間の配分がおかしいのか。
 五分に二台くらいしか通らない。
 まぁ、どうでも良い。
 今は、ただ、めんどくさい。
 カンカンカンカンカンカンカンカンカン
 昨日は疲れた。
 彼と喧嘩し、眠れなかった午前二時。
 いつもなら、すぐに謝りのメッセージが届くのに。
 おかげで、かなりの寝不足だ。
 カンカンカンカンカンカンカンカンカン
 今日は、ケータイに電話をしようかメールを送ろうか、どうしよう。
 いっそのこと、連絡しないで、放っておくか。
 でも、だけれど、きっと━━
 いつだって、理由は私にあるのだ。
 なのに、いつだって謝るのは彼からだ。
 リストバンドの下にある傷が疼く。
 カンカンカンカンカンカンカンカンカン
 やはり、私は重荷、なのだろうか。
 今回こそは、素直になって……でも、きっとまた向こうから。
 こう考える私は、彼を信じていると言うより、依存してしまっているのではないだろうか。
 イヤだ厭だ嫌だ、考えたくない、頭が重い、めんどうくさい。
 朝から大事な会議があるのだ。
 テンテンテンテンテン
 あれ? 踏切の音が変わった?
 カンカンカンカンカンカンカンカンカン
 ……気のせいだったようだ。
 カンカンカンカンテンテンカンカン
 ああ、カンカン鳴っていると言うのは、人間の声帯や文字に制限があるからか。
 本当にはカンカンとも、テンテンとも、鳴っていないのだ。そう聞こえるとインプットされている。
 要は思い込み、か。
 だから、さっきは戸惑ったのだろう。
 鳥の鳴き声や、犬の鳴き声だって国によって違う。狂言での犬は「びょうびょう」と鳴くらしいから、時代によっても違うのか。
 なら、擬音は人間の表現できる限界。本物の音に負けた証。
 現実への、ささやかな抵抗。
 カンテンカンカンカンテンテン
 でも、なんでだろう。
 いつもはこの踏切の警告音は、けたたましく耳障りなノイズにすぎなかったのに、今は少し優しく聞こえる。
 変なことを考えていたせいなのだろうか。
 人間の限界を越えた音のリズムが快い。
 カンカンカンテンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンテンテンカンカンカンカンカンカンカンカンテンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンテンテンテンテンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンテンテンテンカンカンカンカン
 頭が重い。
 限界━━私の限界。
 私と彼との限界。
 もう、考えたくない。
 カンテンカンカンカンテンテン
 ━━誘われてる、気がした。
 カンテンカンカンカンテンテン
 ……でも、どこへ?
 カンテンカンカンカンテンテン
 分からない。でも、
 ……でも、行かなくちゃ。
 黄色と黒の縞模様。
 そのバーを掴み上げた、その先に。
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